H.B.さん/ ウィーン国際音楽ゼミナール春期講習会

H.B.さん プロフィール-まず簡単な自己紹介、現在までの略歴を教えてください。
1991年に東京音楽大学を卒業しまして、その後、母校の大学職員として仕事をしておりました。その後96年から、自宅と音楽教室にてピアノの先生として活動を始めて、今年で約30年くらいになります。その間は子育て期間も含んでいたので、演奏活動よりは教える方を専門にやってきました。留学に行きたいなとは長年思っていたところ、昨年たまたまドイツとウィーンを訪れる機会を得まして、その際にきっかけもあり、やはりもう一度ピアノがきちんと弾きたいな、と思うようになりました。帰国後、インターネットで検索したところ、アンドビジョンさんでのプログラムを発見し、申し込みをいたしました。
-今まで講習会などに参加したことはありますか?海外に行かれたことはありますか?
旅行は何度かありましたが、講習会参加ははじめてでした。
-この講習会に行きたいと思った理由やきっかけはなんでしょうか?
先ほどの話と重なりますが、生徒とのレッスンを行っていく中で、やはり自分のためにピアノが弾きたくなったというのがきっかけです。あとは、大学を卒業後、先生や親に留学を勧められてはいたのですが、反抗的に行かず、日本にこだわって活動してきました。しかし、やはりヨーロッパの空気を知らないというコンプレックスが自分の中にありましたし、偉大な作曲家たちが過ごした空気を知らずに生徒たちに教えるには説得力に欠けるのではないかというのをずっと感じていたというのも理由の一つです。
-参加者は、どのくらいの人数がいましたか?また、どんな人が参加していましたか?
初日の説明会には全体で20名ほどいらっしゃいました。私の年代の方は少なく、20-30代の方が多かったです。これから世界に旅立つ、活躍の場を広げていく、本格的にやっている、という方が多いと感じました。私が登録したピアノの、アレキサンダー・ロスラー先生のクラスには8名いらっしゃいました。
-講習会はどんなスケジュールが組まれていましたか?
レッスンが期間中4回、その他先生から課題が出たのでそれを個人練習時間に練習し、また次回のレッスンに見ていただくという形でした。レッスンでは最終的にクラスコンサートとファイナルコンサートがあるので、それに向けて曲を仕上げていくという流れでした。
-レッスンの先生はどんな人でしたか?
アレキサンダー・ロスラー先生はベテランの先生で、内面的なところで、こういう感覚だからこう弾くと良いというのを的確に指導してくださる先生でした。音質からそこまで見抜けるのがやはりすごい先生だなと感動しました。今まで私は日本の超一流と言われる先生のレッスンも受けてきたのですが、ロスラー先生は通訳を通していても素晴らしさが伝わるものがあり、目から鱗でした。お人柄も大変すばらしかったです。
-講習会スタッフはどんな人でしたか?
通訳ってやはり言葉のチョイスがテクニックになってくると思うのですが、すごく的確にわかりやすく訳していただけました。また、私が困ったときにも助けていただき、いろいろな面でサポートいただき、大変感謝です。
-レッスンでは、どんなことを教わりましたか?教わったことで、印象に残っていることはありますか?
印象的だったのは、ウィーンで最初にピアノを弾いたのは練習室でだったのですが、日本との音の響きの違いに衝撃を受け、耳が慣れず、ペダルの使い方がわからなくなってしまい、近現代が弾けないと感じてしまいました。レッスンではソフトペダルの活用方法をロスラー先生に細かく教えていただき、その学びはすごく大きかったです。あとは、先生がしきりに音楽を演奏する人たちはみんなファミリーなんだ、というふうにおっしゃっていて、講習外で訪れたウィーンの楽団のコンサートの一体感に驚かされました。こういう環境でずっと過ごしているからこそ、素晴らしい演奏家が誕生する地域なのかなと思いました。
-レッスンは何語で受けましたか?
先生はドイツ語でお話されているのを、通訳の方に日本語訳していただきました。
-講習会の最後にはコンサートがありましたが、いかがでしたか?
最終日には全楽器の参加者(選抜者)でファイナルコンサートを行い、その前日にクラスコンサートを行います。私はクラスコンサートに出演しました。
-練習はどこでしたのですか?どのくらい練習出来ましたか?
ウィーン西駅から徒歩5分くらいのところの練習室でした。インターネットで自分で予約を取ります。1日1時間は無料で割り当てられます。最終日が近づくと予約が早く埋まっていくのですが、早めに予約を入れておけば大丈夫です。講習生以外にも地元の方も多く利用しているようでした。
-レッスン以外の時間は何をしていましたか?
若い方はレッスンの合間や遅い時間までいろいろ行っているようでしたが、私の場合は体力温存してました。また、到着して5日目で骨折してしまい…そのせいもあり自由に動くのは難しかったです。けがをするまでは合間を作って観光もしましたが、レッスンや練習の時間が細かく決められているので、そこまで遠出はできませんね。
-街のようすはいかがでしたか?(治安、人々の様子、外観など)
とっても素敵な街で、人も穏やかでした。地下鉄移動だったのですが、乗り合わせた方々も、例えば目が合えばニコっと笑ってくださるのがうれしかったです。犬が地下鉄に乗っていたのも驚きましたが、ウィーンでは普通のようでした。交通機関は遅れるのは当たり前でしたが、日本のようにイライラせず、みんなそれが当たり前というような感じで穏やかさがいいな、と思いました。
-宿泊先はどこに泊まりましたか?対応はどうでしたか?
ホテルに宿泊しまして、スタッフさんはみんな親切でした。けがをした際も足を冷やすための氷を毎日くださったり、すごく良くしていただきました。朝食の時のスタッフさんも感じの良い方たちばかりでした。
-宿泊先の設備はいかがでしたか?
私はツインルームを一人で利用する形でした。バスタブもあり、部屋も広めで良かったです。セキュリティもしっかりしているなと感じました。
-宿泊先と講習会場はどのように移動しましたか?
地下鉄を利用しました。
-ごはんは何を食べましたか?お口には合いましたか?
ホテルの朝食はビュッフェスタイルでした。ただ、メニューが毎日一緒でそこまで種類は無いので、少し飽きてしまいました。味は問題なかったです。あとは買って帰ったりしました。全体的に外食は高いなという印象でした。
-今回講習会に参加して良かったと思える瞬間はありましたか?
良かったと思える瞬間は全てでした。ウィーンでの音の響きや、素晴らしい仲間たちと肩を並べて演奏会に出ることができたこと、素晴らしい先生に出会えたことです。
-留学して、何か自分が変わったなとか成長したなと思う事はありますか?
グローバルに、おおらかに物事を考えることができるようになりました。また、帰国してすぐ生徒たちのレッスンに戻りましたが、留学する前と後の自分では違うものがある、と感じられています。
-留学前にしっかりやっておいた方がいい事は何かありますか?
H.B.さん/	 ウィーン国際音楽ゼミナール春期講習会語学ですね。英語ももちろん通じますが、その国の第一言語を勉強していくべきだと思いました。
-今後留学する人にアドバイスしておきたいことなどありますか?
勇気を振り絞って、日本から一度は出た方がいいです!一度海外で生活してみて、新しい刺激や、改めて日本の良さも再確認できました。私自身多くの生徒を指導していますが、生徒たちにも、どんどん外に出ましょう!ということを伝えていきたいです。

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