マーシャル音楽院/Acadèmia Marshall
スペインを代表する偉大なピアニスト、グラナドスの音楽世界を伝え続ける名門校
マーシャル音楽院は、スペインの大ピアニスト、エンリケ・グラナドスによって1901年に創立。当初はグラナドスのピアノ技法を教えるアカデミーでしたが、彼が急逝した1916年からは、技術だけでなく、ピアノに関わる幅広い分野に音楽教育を広げて行きました。1959年、巨匠アリシア・デ・ラローチャが学院長に就任すると、スペイン伝統の音楽性を重視したカリキュラムを展開。修士号を取得できる高等教育機関へと発展しました。近年には、モダンジャズ和声のクラスがスタートするなど、ピアノ専門校として、世界的地位を確立しています。
教育内容は、ビギナーからプロレベルの学生まで、幅広く対応したプログラムを用意。基礎レベルでは、完成されていない才能を、丁寧に育て上げてくれるのが魅力です。プロフェッショナル・レベルでは、徹底したトレーニング&レッスン、和声や対位法といった音楽理論、伴奏など、熟達したピアニストを目指す授業が待っています。その他にも、カウンセリング、カンファレンス、マスタークラスといったイベントを開催。2012年11月には、スペイン気鋭のピアニスト、マルタ·サバレタがマスタークラスに招かれています。このようにして、スペイン新旧の音楽家や作曲家について多くを学び、伝統のピアノ奏法を身に付けられる比類なき音楽院は、世界中から若いピアニスト達を惹き付けてやみません。リセウ音楽院、英国王立音楽院といった、超一流音楽院へのステップアップ校として人気が高いのも頷けます。
音楽院は、ラローチャの邸宅をそのまま音楽院として使用していますので、近代施設に慣れている方には不向きでしょう。けれども、グラナドスに始まる100年前から、大切に伝えられて来たピアノ伝統的な奏法を、歴代の巨匠達に見守られながら学ぶ日々は、あなたの音楽人生の宝物となることでしょう。